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「銀輪記」~自転車旅行の記憶~

一期一会のサイクリング|木曽旅ひとり旅|第3話

第3話:一期一会のサイクリング
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2013.5.5

たまたま訪ねることになった木曽福島の地酒「中乗さん」の酒蔵を、2Lの水で重くなった自転車をこぎこぎ走り出しました。酒蔵のみなさんのあたたかさに心がぽっとした感じがします。木曽福島も山間の温泉地といった感じで好きな雰囲気でした。

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手作りのお酒酵母のパンで補給(*´ω`*)

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道の駅「木曽福島」はかなり混んでいたのでトイレ休憩だけ。山と山の間に雪のまだ残る御岳が綺麗に見えました。ここからは例のごとく国道19号をそれて対岸を走る県道508号線を走ることにします。

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車はほとんど通らないけど、川沿いに走りやすい綺麗な道が伸びていました。ゆるやか~に下っているか平坦かといった感じの道なのですいすい走れます。軽快です。こんなに気持ち位サイクリングがあるもんでしょうか(笑)

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のんび~り上松という集落を走っていた時のことでした。

前のほうに僕と同じようなスタイルの自転車旅人が走っているではないですか!思わず声をかけてしまいました。彼の名はヨシダさん。仕事が休みとなるGWを利用して埼玉からキャンプツーリングに来ているとのこと。

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長野の山の中を走り回ってきたそうです。二人とも走りにくい国道を避けて農村の風景を堪能しようと同じようなルートになったのでした。方向が同じということもあり、すぐに意気投合。

一緒に走ることとなりました。


裏道という裏道をのんびりおしゃべりしながらペダルを回していきます。

すぐに「寝覚の床」という景勝地に到着!浦島太郎の伝説が残ってる場所らしいですよ!

浦島太郎は竜宮城から地上へ帰るが、まわりの風景は変わっており、知人もおらず、旅に出ることにした。旅の途中、木曽川の風景の美しい里にたどり着き、竜宮の美しさを思い出し、乙姫にもらった玉手箱をあけた。玉手箱からは白煙が出て、白髪の翁になってしまう。浦島太郎には、今までの出来事がまるで「夢」であったかのように思われ、目が覚めたかのように思われた。このことから、この里を「寝覚め」、岩が床のようであったことから「床」、すなわち「寝覚の床」と呼ぶようになったという。


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↑断崖絶壁にたたずむヨシダさん。

これが思いのほかいいところでした!!

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川の浸食で花崗岩が大きく削られて断崖になっています。

素晴らしい景色とおしゃべりに夢中になっていましたが、気が付いたら二人とも腹ペコ。近くのお蕎麦屋さんに入ることにしました。「食事処 中村」さんでお蕎麦定食をいただきます!!

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信州に来たらお蕎麦でしょ!?という端的な考えによるチョイス。ヨシダさんはとろろ定食を注文!!あれも実にうまそうである。山のごはんはいいですね。長野も岐阜もご飯がおいしいです。

コンビニでもしもの時の夜ご飯、カップヌードルを購入して国道19号を南下していきます。ぼくが先頭となりヨシダさんをひっぱります。須原宿、大桑村と旧中山道に入り込み、農村の風景を堪能します。

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特に大桑村の棚田の風景はなかなか綺麗で、二人とも感動です。

「裏道、さいこー!」

こういうのどかな風景はずっと残していきたいですよね。

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木曽駒もくっきりと美しくそびえています…。

ヨシダさんは阿寺渓谷のキャンプ場、ぼくは中津川方面へ進む予定なので、野尻宿という分岐点でお別れです。ひとり旅だからこその出会い。たまたま偶然出会った旅人同士の旅の共有…ぼくはこれを自転車ひとり旅の一番の醍醐味だと思っています。手を振って別れました。またどこかで会う気がします('◇')ゞ

たまたまその日その時にその場所を走っていた旅人同士のめぐり合わせ…まさに一期一会という言葉通り…自転車ひとり旅は決して孤独ではありません…ひとりで走っているからこそ、人との出会いが広がる…一人旅の一番の面白さはここにあります。

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野尻宿、南木曽と宿場町を転々としながら南下。ずっと一人で旅をしてきたから慣れたもんなはずなのに、二人から一人になるとちょっと寂しい感じもします。

有名な宿場町「妻籠・馬篭」へと向かう分岐点にさしかかりましたが、あまりに車が多いのと、かなり険しい峠道ということで、今回は断念。ここは前に何度か来たことがありますしね。川沿いの通ったことない道を選びました。(有名な桃介橋はどこにあるかわからず、いつの間にか通り過ぎてしまいました…(;_;))

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木曽川沿いはちょっとしたアップダウンが何回か続きます。特に中津川の町に入る直前はアップ&ダウン…(;_;)

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中津川の町に到着。さて、ここからは本格的な山道に入っていきますよ。日没までに寝床を確保できるか!?


つづく

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鳥居峠、木曽福島「中乗さん」|木曽旅ひとり旅|第2話

第2話:鳥居峠を越えて木曽福島へ ≫第1話はこちら

2013.5.5

早朝の奈良井宿でのんびり過ごし・・・さて、立ち去るのが名残惜しいですが出発です。

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奈良井宿を出るとすぐに鳥居峠が待ち構えます。

峠といっても今はトンネル。急な坂道を上る必要はなさそうです。トンネルの入り口まで来てみると自転車は歩道へという看板…右側にほそーい歩道がついています…(;・∀・)ここを行くしかないのでしょうか。2㎞近くある長ーいトンネルで交通量も多いので車道を突っ走るわけにはいかなそうです。

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両側に鞄をつけた自転車には幅がぎりぎり…何度かこすりながらもゆっくりと進んでいきます。イライラ棒の気分です。

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メインの道路である国道19号は車通りが多いので、できる限り旧道や裏道を走っていきます。19号を少しそれるだけでのどかな農村の風景が広がっています。

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ちょうど田植えの時期ですね。まさしく日本の原風景という言葉は似あう風景…ほのぼのとしたなんとも穏やかな気持ちにさせてくれます。日本の自転車旅は、四季の移り変わりを実感できる風景との出会いってのも一つの醍醐味かななんて思ったりもします。

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木曽川にそった谷を南下していきます。このあたりの中山道は「木曽路」と呼ばれるそうです。

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雨男のぼくには珍しく快晴…こんなに天気のいい日のツーリングは久しぶりな気がします。御嶽山も綺麗にくっきり見えています。

山間の道を進んでいくと、木曽福島という町に出ました。

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川沿いの商店街の一角に足湯がありました。温泉が有名なんですね。せっかくなのでちょっと浸かっていきましょう(*´ω`*)お湯加減もばっちし!!いいお湯です。

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足湯に浸かっていると、ハッピを着たお兄さんが声をかけてきました。なんでも近くの酒蔵でお祭りをやってるとのことです。酒蔵のお兄さんなんですね。木曽の地酒…興味津々です。場所を教えてもらったのでさっそく行ってみましょう!!

さっきからそこらじゅうにある「木曽の地酒 中乗さん」の看板が気になっていた所なんですよ。

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ここですな。ここ!

酒蔵見学もさせてもらいましょう。残念ながら自転車なので試飲は出来ませんが、お酒造りに欠かせない美味しい水を飲ませてもらいました。

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当たり前だけど酒がうまいとこの水はうまいっすな。自転車の2Lペットボトルいっぱいにお水を補給させてもらいやした。やっほーーい。

地酒の「中乗さん」(なかのりさんと読むらしい)はお土産に一つ購入!!専用のおちょこもゲットです(^^ゞ


後日…

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帰宅してから中乗さん頂きました!甘いお酒。香りが豊かで飲みやすい美味しい日本酒でした。

旅の途中に酒蔵でお水補給させてもらうってのいいな~(゜-゜)お土産でお酒買って。

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ジャンル : 旅行

早朝の奈良井宿|木曽旅ひとり旅|第1話

第1話:早朝の奈良井宿

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奈良井宿…中山道の中間地点に位置する宿場町。江戸時代の風情が当時の状態そのままといっていいほど残されています。今回のぼくの旅の一つの大きな目的地。

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2013.5.4

寒さで目が覚めた…ぼくは奈良井宿のすぐ手前の道の駅「ならかわ」で野宿をしていました。前日に少し雨に降られたので大事をとって屋根のあるところにテントを設置。下が板張りということもあり、かなり快適な寝床となりました。快適とはいえ、結構な山に来ていますから当然、朝方は冷え込みました。静岡の感覚からはだいぶギャップがあり、ちょっと薄着過ぎた感じはあります(笑)

GW後半真っ盛りではありますが、さすがにこれだけ時間が早いと人も少ないですな。キャンピングカーをはじめとしてこの道の駅で一晩をやり過ごしたクルマの人らも何人かいたみたいでした。


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とにかく温かいものが食べたい…お湯を沸かしてカップうどんを朝食に。

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食べると暖かくなるもんですな。

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奈良井川沿いに3㎞ほど進むと、すぐに目的地の奈良井宿が現れます…

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朝の7時くらいなのでまだ全然人がいません。

すがすがしい澄んだ空気があたり一面に広がっています。朝陽はちょうど東の山際から顔を出したばかりで、眩しいくらいの光が差し込みます。

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まだお土産屋さんも開いておらず、しばらく見えていると町が少しずつ目覚めていく感じがします。

江戸時代…険しい中山道を歩き続ける人たちも、ぼくと同じように奈良井宿の清々しい朝に癒されたに違いありません。100年200年という時の流れはぼくの考えているよりずっと長い時間なんだろうけど、この場所に一人たたずんでいると、そんな時間の流れはまるでなかったかの感覚につつまれます。

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自然と自転車から降り、自転車を押してゆっくり歩きだします。

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鳥居のように建てられた木枠に3つの提灯がつる下げられてあるものが幾つかあり、印象的でした。近くお祭りがあるのでしょうか、各家々にしめ縄と紙垂がつるしてありました。

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昼間になるとお店が開いて観光客で活気にあふれているのだろうか…それとも普段から静かな感じなのか。

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町の一番奥には小さな神社がありました。

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この素晴らしい景観を残す奈良井宿に朝早くこれたのは嬉しいことでした。早朝の奈良井は何とも言えない緊張感と清々しさの入り混じった独特の雰囲気を持っていました。

さて、難所の鳥居峠を越えて(今はトンネル)、木曽路を進みましょう。


つづく

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中山道、木曽旅

中山道、木曽旅に行ってきました。

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旅レポ、少しずつ書いていきます。

急に家を飛び出して旅がしたくなり、当てもなくふらふらと放浪…気づけば長野の諏訪まで来てしまった。前々から走りたいと思っていた安曇野か木曽路か…ぼくの選択は「木曽路」

長野から岐阜へと続く江戸時代の情緒あふれる街道をのんびり旅してみました。ぼく自身の旅の原点に戻れた旅でした。

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ようこそ、銀輪記へ

手にした一台の自転車は、思いがけず遠くへと私を連れていき、生活へと染み込み、ついに。

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