安芸灘とびしま海道、かきしま海道キャンプツーリング
さてさて、久しぶりのブログ更新です。
旅はもう昨年になりますが、12月初めのお話・・・・・・。
冬のキャンプツーリングに久々に行きたい。ランドナーのジロー号のメンテナンスもちょうど終わったことだし、オーストリッチ製のクラシカルな4サイドバッグに、荷物、キャンプ道具一式を詰め込んで準備ok。
ヒトの少ない所に行きたいと思うと、自ずと行き先は決まってくる。島。それも、できれば離島がいいですな。
日程は2日間半+α。初日は午前中まで仕事。仕事が終わり次第すぐに乗れる船から考えて、最初に渡るのは大崎上島にしましたぞ。大崎上島から今注目のサイクリングロード「安芸灘とびしま海道」を通って、広島の「かきしま海道」へと向かうルートをなんとなくざっくりと頭の中に描きながらスタート。呉市内から倉橋島・江田島と渡る「かきしま海道」は、行ったことがなかったので、今回のメインディッシュになる予定です。
≪とびしま・かきしまキャンプツーリング1日目≫
今治港~大崎上島

今治13:05出港のフェリー、大三島ブルーラインで、大崎上島の木江港(天満港)を目指します。今治港「はーばりー」の港湾事務所の切符売り場で、木江行のチケットを購入。瀬戸内海のフェリーに、サイクリング目的で自転車を持ち込むときに使える割引パス「サイクルーズPASS」をチケット売り場のおばちゃんからもらったので、数百円、安くチケットを購入できました。これはラッキー。

途中、大三島の宗方港に立ち寄るこのフェリー。1時間ほどで木江港に到着。大崎上島は周りの島と繋がっていない離島。この南側にある大崎下島は、とびしま海道の島のひとつです。

まずは木江を散策。路地が多く、坂も多い町でしたぞ。かつては遊郭もあって風待ちの港として栄えた木江の町も、歩いている人はまばら。ゆっくりとした時間の流れる島の小さな集落といった風情となっていました。
はてはて。
ここからは、大崎上島の東岸にそって北上。全くアップダウンのない海沿いの道を進みます。竹原へと渡るフェリーが出ている垂水港から先は、交通量も増え、中心街に近づいている感じがします。
町なかのスーパーマーケットで、夕飯キャンプの食材を調達。なかなか寒い時期なので、熱燗をしたいところです。広島のカップのお酒を購入。これを湯せんにかけてみようという魂胆です。

そして、今晩のキャンプ地は大串キャンプ場。以前にも、とびしま海道のキャンプツーリングで訪れたことのあるキャンプ場です。水場やトイレも整備されていて、広々としたキャンプサイト。もちろん、12月のこの時季なので、他のキャンパーは皆無。
すぐ目の前が海水浴場なので、夏場は泳いだら最高でしょう。それと、このキャンプ場は島の西側にあるので、夕陽が楽しみですな。と、さっきまで晴天だったのに、風が出始め、雲がもくもくと登場。あっという間に西側の空が曇り、太陽は赤くなるまえに雲の中にストン。
残念ながら、大串の夕陽はお預け。夕飯づくりに徹します。そして、極寒キャンプの一番の楽しみ、熱燗。体の芯からポカポカと温まるこの感じ。最高です。
≪とびしま・かきしまキャンプツーリング2日目≫
大崎上島~とびしま海道~かきしま海道・江田島
夕方から吹き始めた西風が、夜の間も全く止むことがなく。僕のテントは一晩中、ビルビルビルビルうるさかったです。この時期のキャンプは、虫がいないのが最高ですが、一番の敵となるのが、この強い風かもしれません。

朝食を作るときも、この風に難儀します。コーヒーを入れようにも、風がビュービュー。熱がお湯にうまく伝わりません。こんな時に、熱がしっかり伝わるジェットボイルなどのキャンプ用品が欲しくなります。

ネルドリップで、挽きたてのコーヒーを入れるも、出来上がったころには完全に冷ぇひえ……;
風の強い時の野外コーヒーはインスタントが最強かもしれませんな。

大串からは南側の明石に向かっては、65号線を走ってもつまらないので、海側の農道「とびしま絶景ロード」を行きましょう。とびしま島走MAPで「とびしま絶景ロード」と紹介されているこのルート。絶景にありつくためには、ちょっとキツめの勾配の上り坂を登っていきますが・・・・・・。
次から次へと、絶景オーシャンビューが連続。
アップダウンが続きますが、お気に入りのサイクリングルートです。
65号線に合流して、小さな峠を越えると明石の町に出ます。ここから、大崎下島の小長港にフェリーがでています。これで、「安芸灘とびしま海道」へと渡ります。

フェリーの時間まで1時間ほどあったので、ちょっと町中を散策。大きな銀杏が綺麗な神社があったので、お参り。

さて、大崎上島・明石港から大崎下島・小長港へのフェリーに乗り込みます。明石港に着いてから出港まで1時間ほど待ちましたが、ほんの20分ほどで小長港へと着いてしまいます。このあたりの島々は密集していて、それぞれかなり近いんですね。
大崎下島・小長港に到着。
ここから「安芸灘とびしま海道」サイクリング開始です。ちなみに「小長」は「おちょう」と読みます。すぐ横には「大長」=「おおちょう」という町もあって、結構紛らわしいです。英語表記だとどっちも「Ocho」??
今回の僕のルートとは逆の、とびしま海道から大崎上島へと渡る場合は、自転車はこの「小長港」からのフェリーに乗り込みます。「大長港」と間違えないように注意が必要ですぞい。

小長港の2Fに、知らない間にカフェが出来ていました。「cafe with book ネロリの島」。レモンオイルの醸造所も併設しているようで、建物の外からすでにレモンのいい香りが漂っています。去年来た時から、ずいぶんと明るくいい感じの港に雰囲気が変わっていて驚きです。

朝、コーヒーを淹れるのに失敗して、モヤモヤしていたので、美味しいコーヒーを頂いてスッキリ。


大崎下島、豊島、上蒲刈島、下蒲刈島……と「安芸灘とびしま海道」の海沿いをサイクリングしていきます。海沿いは、こちらも全くアップダウンのないフラットなコース。「とびしま海道」は「しまなみ海道」と比べ、防波堤も低く、完全に海岸線に沿って道が延びているので、より海が近いような感じがします。
「とびしま海道は、やっぱ最高だなぁ」
何度、独り言のようにつぶやいたかわかりません。天気もいい感じ。風も午前中でおさまり、最高の「とびしま日和」ですな。大崎下島、豊島、上蒲刈島、下蒲刈島の4つの島をアイランドホッピングして、最後の「安芸灘大橋」へ。

ちょうど、安芸灘大橋の上で、夕景!昨日は雲にストンと隠れて見ることができなかった夕陽。2日目は最高の形で見ることができました。こんなに天気に恵まれる旅は、僕の旅では珍しいかも???
ただし、夕陽ということはここからナイトライド・・・・・・。
翌日、「かきしま海道」を楽しみたいので、夜の間に「とびしま海道」から「かきしま海道」へと移動しておきたいところです。それに本州に渡ってからは交通量も多く、走りにくいですからね。幅の広いキャンプツーリングの自転車だと、都市部では余計に邪魔になりますしね。やっぱり、のどかな島がいいです。
ということで、夜の間に「広」の町なかを通過。スーパーで食材を買い出ししてから、半島を南下し、「かきしま海道」の入り口「音戸の瀬戸」へ向かいます。音戸の瀬戸は、呉市本州と倉橋島との間の狭い瀬戸。平清盛が切り開いた海峡だとかそうじゃないとか。真偽のほどはよく分かりませんが、とにかく真っ暗でライトアップされた橋と、ぼんやりと明かりのついた町なみ以外何も見えず。

あの橋まで登るのかぁ・・・・・・; とひさびさの長距離4サイドバックキャンプツーリング車ナイトライドに加え、そびえる音戸大橋にすっかりナーバスになっていると「音戸渡船」の看板を発見!
「おおおおおおお、渡船があるんじゃんか!!!」
乗り場の明かりがついているので、まだ乗れそうです。自転車を押して、乗り場にいくと小屋の中におじちゃんがいます。
「あの~、すみません。」
「・・・・・・なんだ・・・・・・・渡りたいんか?」
「あ、はい・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
おじちゃんはそう聞いたきり、無言で立ち上がり、船の方へ。とりあえず付いていきます。というか「渡りたいんか」って・・・・・渡船に乗る以外の目的でここに来る人いるんかいな。と、その、なんだかぶっきらぼうな感じが面白くて、裸電球がつる下げられた小さな船も、とても味わい深く、「なんだなんだ、旅情があるなぁ~」なんて。
夜の倉橋島、上陸。
初めて来る場所だと、毎度の事なのですは、キャンプ地を探すのに難儀。加えて倉橋島の北西側ルートは夜の間でも意外と交通量が多く「なんだよ、かきしま海道・・・・・・」と文句たらたら。暗い中、とうとう江田島まで来てしまい、やっとのことでキャンプ場へ到着。
「はあ、なんとか寝れそうだ……。」
夕飯を作るのも面倒ではあったものの、もう腹ペコなので、パパッとキャンプ飯にして、熱燗をぷはーーーー。かきしま海道の交通量の多さに文句たらたらだったのも、いつの間にか吹っ飛び、「橋の夜景もなかなかいいじゃん」と思いはじめていた。冬のキャンプツーリングの醍醐味は、やはりこの熱燗にあると思う。
≪とびしま・かきしまキャンプツーリング3日目≫
江田島・かきしま海道~とびしま海道~岡村島

江田島で迎えた3日目の朝。
夜の倉橋島、北西の交通量の多さに閉口し、「もう、かきしま海道サイクリング十分かなぁ、早くとびしま海道へ戻るか・・・。」と、当初の予定≪かきしま海道サイクリングを楽しむ≫の熱がすっかりなくなり。ここでUターンすることに。
来た道を戻っても、あの憎き「倉橋島北西ルート」を通るのは嫌だなということで、倉橋島の真ん中で反対側に出て、北東ルートをとって音戸の瀬戸へと向かうことにした。江田島は片足つっこんだだけで終わりになるけど、致し方ない。

倉橋島の中央に向け、南下していくと、なんだか一気に田舎ののどかな風景に。
あれ、これって僕が思い描いてたまさに「かきしま海道」の風景じゃないか?!南へ行くほど、どんどんカキの養殖と穏やかな瀬戸内の海の風景になっていく・・・・・・。そして、気が付くと、道にはサイクリングロードを示すブルーラインが。
どうやら、昨日の夜に通った倉橋島北西のルートは、サイクリング推奨ルートではなかったみたい……。たしかにブルーラインをみた覚えがない。どうやら、昨晩文句たらたらで走ったルートは、クルマで呉市内から江田島方面へ抜ける幹線道路だったらしい。
あやうく、「かきしま海道」の間違ったイメージを持ったまま帰ることになるところでした。
ブルーライン沿いのルートはとっても走りやすく、風景も抜群。道沿いでたき火に当たっているゲートボール同好会のおじいちゃんたちもなかなか絵になる。「かきしま海道」のほんの一部であるものの、倉橋島北東ルートを十分に満喫して、音戸の瀬戸へと戻ってきましたぞ。

おお、これは素敵な風景。昨日は夜に来たので全然わからなかったのですが、音戸の瀬戸。ほかにはなかなか無い狭い瀬戸の風景ですな。たくさんの船が往来しています。

暗くてよく分からなかった音戸渡船の建物も、かなり古そうで渋い!手書きの「音戸渡船」の文字がなんとも味わいありますね。
「そういえば、ここはもう広島県だったな」
ということで、お昼は広のお好み焼きやさん「みっちゃん」でお好み焼きを。アツアツでこれが美味い!!地元の人しか来ないようなローカルなお店で、旅にはこんなお店がいいですねぇ。

広から仁方へと移動し、安芸灘大橋で「とびしま海道」へと戻ります。さてさて帰ってきましたなぁ。
行きのとびしま海道「大崎下島~下蒲刈島」まで通った方とは逆側の海岸ルートで、帰りは岡村島方面へと向かうことにしました。とびしま海道は北側・南側どちらのルートを通っても、走りやすいので気軽にどっちを走ろうか選べていいですね。

とびしま海道の橋の上からの風景は、なんとも美しいものがあります。少しずつ、山が赤く染まり始めています。

夕日を見るために、途中から、とびしま海道南側の海岸線ルートをサイクリングすることにしました。夕日を撮るために三脚を立てたカメラマンさんたちも数人すれ違いました。これはあと10分ほどすれば、良い写真が撮れるに違いありません!

おお!!いい夕日!!
大崎下島の南側からの夕景でした。日が暮れてしまっても、どこかその辺でキャンプを張ればいい・・・・・・・。この余裕のある感じがキャンプツーリングならではかもしれません。キャンプ道具一式もっていなかったら、宿までなんとしても行かなくては!フェリーの時刻になんとか間に合わなければ!!!と必死になってペダルを漕いでいるところかもしれません。
真っ暗な中、大崎下島の御手洗(みたらい)の町に到着。
ここも風待ちの港町として古くから栄えた町。歴史保存地区の町並み。タイムスリップしたような感じ。今は、もう街灯だけが灯って、静かな夜ですが、遊郭のあった頃の夜は、きっと煌びやかで、賑わっている風景があったのかもしれません。そんなかつての賑わいを想像しながら、夜の御手洗をサイクリング。
岡村島へと渡り、最終日のキャンプ地は無料の「正月鼻キャンプ場」にしました。まだ、岡村港から今治港への最終フェリー18:05発にもぎりぎり間に合う時間でしたが、せっかくキャンプツーリングに来たのだから、キャンプして、次の朝一のフェリーで帰ることにしました。街灯も皆無で、クルマの通行も一切なし。ここがキャンプ場で合っているのかもよく分からないような状況でのキャンプ。
遠くの島々に町の明かりや船の明かりがぼんやりしているだけで、あとは月と星の光のみ・・・・・・。
ただ翌朝は、早朝のフェリー6:50発で帰るので、とっととテント設営して、早めの就寝です。
≪とびしま・かきしまキャンプツーリング4日目・最終日≫
最終日、といっても、フェリーで今治に帰るだけですが・・・。
朝5時、まだ真っ暗な中、起床。お湯だけ沸かしてインスタントスープで体を温めます。15分ほど走って岡村港到着。朝早くなのに、すでに船を待っている島の方が何人かいました。もちろん、こんな時間に島から今治へと渡るサイクリストは皆無。ぼくも、こんな時間に初めて乗ります。
辺りがだんだん明るくなってきました。空のグラデーションが綺麗です。

船の上で、夜明けを迎えました。短いキャンプツーリングでしたが、僕の旅には珍しく天気に恵まれ……。まあ、たまにはそういうこともありますわな。
「かきしま海道」の第一印象があまりに悪く、一時は「わざわざ遠くまできて失敗したか?」と思いましたが、それも思い違いだったかも。しまなみ海道やとびしま海道には無い、また違った景色を楽しむことができました。今回は、倉橋島の南側、それに江田島もまだ全然走っていないので、なんともいえないですが。また、機会があれば江田島いくのもアリかな、なんて、う~む本当かな。
「本船は間もなく、今治港へと入港いたします。着岸の際に多少の動揺が・・・・・・」
あれあれ、もう旅は終わりですか。あっという間に、帰ってきてしまいました。
旅はもう昨年になりますが、12月初めのお話・・・・・・。
冬のキャンプツーリングに久々に行きたい。ランドナーのジロー号のメンテナンスもちょうど終わったことだし、オーストリッチ製のクラシカルな4サイドバッグに、荷物、キャンプ道具一式を詰め込んで準備ok。
ヒトの少ない所に行きたいと思うと、自ずと行き先は決まってくる。島。それも、できれば離島がいいですな。
日程は2日間半+α。初日は午前中まで仕事。仕事が終わり次第すぐに乗れる船から考えて、最初に渡るのは大崎上島にしましたぞ。大崎上島から今注目のサイクリングロード「安芸灘とびしま海道」を通って、広島の「かきしま海道」へと向かうルートをなんとなくざっくりと頭の中に描きながらスタート。呉市内から倉橋島・江田島と渡る「かきしま海道」は、行ったことがなかったので、今回のメインディッシュになる予定です。
≪とびしま・かきしまキャンプツーリング1日目≫
今治港~大崎上島

今治13:05出港のフェリー、大三島ブルーラインで、大崎上島の木江港(天満港)を目指します。今治港「はーばりー」の港湾事務所の切符売り場で、木江行のチケットを購入。瀬戸内海のフェリーに、サイクリング目的で自転車を持ち込むときに使える割引パス「サイクルーズPASS」をチケット売り場のおばちゃんからもらったので、数百円、安くチケットを購入できました。これはラッキー。

途中、大三島の宗方港に立ち寄るこのフェリー。1時間ほどで木江港に到着。大崎上島は周りの島と繋がっていない離島。この南側にある大崎下島は、とびしま海道の島のひとつです。

まずは木江を散策。路地が多く、坂も多い町でしたぞ。かつては遊郭もあって風待ちの港として栄えた木江の町も、歩いている人はまばら。ゆっくりとした時間の流れる島の小さな集落といった風情となっていました。
はてはて。
ここからは、大崎上島の東岸にそって北上。全くアップダウンのない海沿いの道を進みます。竹原へと渡るフェリーが出ている垂水港から先は、交通量も増え、中心街に近づいている感じがします。
町なかのスーパーマーケットで、夕飯キャンプの食材を調達。なかなか寒い時期なので、熱燗をしたいところです。広島のカップのお酒を購入。これを湯せんにかけてみようという魂胆です。

そして、今晩のキャンプ地は大串キャンプ場。以前にも、とびしま海道のキャンプツーリングで訪れたことのあるキャンプ場です。水場やトイレも整備されていて、広々としたキャンプサイト。もちろん、12月のこの時季なので、他のキャンパーは皆無。
すぐ目の前が海水浴場なので、夏場は泳いだら最高でしょう。それと、このキャンプ場は島の西側にあるので、夕陽が楽しみですな。と、さっきまで晴天だったのに、風が出始め、雲がもくもくと登場。あっという間に西側の空が曇り、太陽は赤くなるまえに雲の中にストン。
残念ながら、大串の夕陽はお預け。夕飯づくりに徹します。そして、極寒キャンプの一番の楽しみ、熱燗。体の芯からポカポカと温まるこの感じ。最高です。
≪とびしま・かきしまキャンプツーリング2日目≫
大崎上島~とびしま海道~かきしま海道・江田島
夕方から吹き始めた西風が、夜の間も全く止むことがなく。僕のテントは一晩中、ビルビルビルビルうるさかったです。この時期のキャンプは、虫がいないのが最高ですが、一番の敵となるのが、この強い風かもしれません。

朝食を作るときも、この風に難儀します。コーヒーを入れようにも、風がビュービュー。熱がお湯にうまく伝わりません。こんな時に、熱がしっかり伝わるジェットボイルなどのキャンプ用品が欲しくなります。

ネルドリップで、挽きたてのコーヒーを入れるも、出来上がったころには完全に冷ぇひえ……;
風の強い時の野外コーヒーはインスタントが最強かもしれませんな。

大串からは南側の明石に向かっては、65号線を走ってもつまらないので、海側の農道「とびしま絶景ロード」を行きましょう。とびしま島走MAPで「とびしま絶景ロード」と紹介されているこのルート。絶景にありつくためには、ちょっとキツめの勾配の上り坂を登っていきますが・・・・・・。
次から次へと、絶景オーシャンビューが連続。
アップダウンが続きますが、お気に入りのサイクリングルートです。
65号線に合流して、小さな峠を越えると明石の町に出ます。ここから、大崎下島の小長港にフェリーがでています。これで、「安芸灘とびしま海道」へと渡ります。

フェリーの時間まで1時間ほどあったので、ちょっと町中を散策。大きな銀杏が綺麗な神社があったので、お参り。

さて、大崎上島・明石港から大崎下島・小長港へのフェリーに乗り込みます。明石港に着いてから出港まで1時間ほど待ちましたが、ほんの20分ほどで小長港へと着いてしまいます。このあたりの島々は密集していて、それぞれかなり近いんですね。
大崎下島・小長港に到着。
ここから「安芸灘とびしま海道」サイクリング開始です。ちなみに「小長」は「おちょう」と読みます。すぐ横には「大長」=「おおちょう」という町もあって、結構紛らわしいです。英語表記だとどっちも「Ocho」??
今回の僕のルートとは逆の、とびしま海道から大崎上島へと渡る場合は、自転車はこの「小長港」からのフェリーに乗り込みます。「大長港」と間違えないように注意が必要ですぞい。

小長港の2Fに、知らない間にカフェが出来ていました。「cafe with book ネロリの島」。レモンオイルの醸造所も併設しているようで、建物の外からすでにレモンのいい香りが漂っています。去年来た時から、ずいぶんと明るくいい感じの港に雰囲気が変わっていて驚きです。

朝、コーヒーを淹れるのに失敗して、モヤモヤしていたので、美味しいコーヒーを頂いてスッキリ。


大崎下島、豊島、上蒲刈島、下蒲刈島……と「安芸灘とびしま海道」の海沿いをサイクリングしていきます。海沿いは、こちらも全くアップダウンのないフラットなコース。「とびしま海道」は「しまなみ海道」と比べ、防波堤も低く、完全に海岸線に沿って道が延びているので、より海が近いような感じがします。
「とびしま海道は、やっぱ最高だなぁ」
何度、独り言のようにつぶやいたかわかりません。天気もいい感じ。風も午前中でおさまり、最高の「とびしま日和」ですな。大崎下島、豊島、上蒲刈島、下蒲刈島の4つの島をアイランドホッピングして、最後の「安芸灘大橋」へ。

ちょうど、安芸灘大橋の上で、夕景!昨日は雲にストンと隠れて見ることができなかった夕陽。2日目は最高の形で見ることができました。こんなに天気に恵まれる旅は、僕の旅では珍しいかも???
ただし、夕陽ということはここからナイトライド・・・・・・。
翌日、「かきしま海道」を楽しみたいので、夜の間に「とびしま海道」から「かきしま海道」へと移動しておきたいところです。それに本州に渡ってからは交通量も多く、走りにくいですからね。幅の広いキャンプツーリングの自転車だと、都市部では余計に邪魔になりますしね。やっぱり、のどかな島がいいです。
ということで、夜の間に「広」の町なかを通過。スーパーで食材を買い出ししてから、半島を南下し、「かきしま海道」の入り口「音戸の瀬戸」へ向かいます。音戸の瀬戸は、呉市本州と倉橋島との間の狭い瀬戸。平清盛が切り開いた海峡だとかそうじゃないとか。真偽のほどはよく分かりませんが、とにかく真っ暗でライトアップされた橋と、ぼんやりと明かりのついた町なみ以外何も見えず。

あの橋まで登るのかぁ・・・・・・; とひさびさの長距離4サイドバックキャンプツーリング車ナイトライドに加え、そびえる音戸大橋にすっかりナーバスになっていると「音戸渡船」の看板を発見!
「おおおおおおお、渡船があるんじゃんか!!!」
乗り場の明かりがついているので、まだ乗れそうです。自転車を押して、乗り場にいくと小屋の中におじちゃんがいます。
「あの~、すみません。」
「・・・・・・なんだ・・・・・・・渡りたいんか?」
「あ、はい・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
おじちゃんはそう聞いたきり、無言で立ち上がり、船の方へ。とりあえず付いていきます。というか「渡りたいんか」って・・・・・渡船に乗る以外の目的でここに来る人いるんかいな。と、その、なんだかぶっきらぼうな感じが面白くて、裸電球がつる下げられた小さな船も、とても味わい深く、「なんだなんだ、旅情があるなぁ~」なんて。
夜の倉橋島、上陸。
初めて来る場所だと、毎度の事なのですは、キャンプ地を探すのに難儀。加えて倉橋島の北西側ルートは夜の間でも意外と交通量が多く「なんだよ、かきしま海道・・・・・・」と文句たらたら。暗い中、とうとう江田島まで来てしまい、やっとのことでキャンプ場へ到着。
「はあ、なんとか寝れそうだ……。」
夕飯を作るのも面倒ではあったものの、もう腹ペコなので、パパッとキャンプ飯にして、熱燗をぷはーーーー。かきしま海道の交通量の多さに文句たらたらだったのも、いつの間にか吹っ飛び、「橋の夜景もなかなかいいじゃん」と思いはじめていた。冬のキャンプツーリングの醍醐味は、やはりこの熱燗にあると思う。
≪とびしま・かきしまキャンプツーリング3日目≫
江田島・かきしま海道~とびしま海道~岡村島

江田島で迎えた3日目の朝。
夜の倉橋島、北西の交通量の多さに閉口し、「もう、かきしま海道サイクリング十分かなぁ、早くとびしま海道へ戻るか・・・。」と、当初の予定≪かきしま海道サイクリングを楽しむ≫の熱がすっかりなくなり。ここでUターンすることに。
来た道を戻っても、あの憎き「倉橋島北西ルート」を通るのは嫌だなということで、倉橋島の真ん中で反対側に出て、北東ルートをとって音戸の瀬戸へと向かうことにした。江田島は片足つっこんだだけで終わりになるけど、致し方ない。

倉橋島の中央に向け、南下していくと、なんだか一気に田舎ののどかな風景に。
あれ、これって僕が思い描いてたまさに「かきしま海道」の風景じゃないか?!南へ行くほど、どんどんカキの養殖と穏やかな瀬戸内の海の風景になっていく・・・・・・。そして、気が付くと、道にはサイクリングロードを示すブルーラインが。
どうやら、昨日の夜に通った倉橋島北西のルートは、サイクリング推奨ルートではなかったみたい……。たしかにブルーラインをみた覚えがない。どうやら、昨晩文句たらたらで走ったルートは、クルマで呉市内から江田島方面へ抜ける幹線道路だったらしい。
あやうく、「かきしま海道」の間違ったイメージを持ったまま帰ることになるところでした。
ブルーライン沿いのルートはとっても走りやすく、風景も抜群。道沿いでたき火に当たっているゲートボール同好会のおじいちゃんたちもなかなか絵になる。「かきしま海道」のほんの一部であるものの、倉橋島北東ルートを十分に満喫して、音戸の瀬戸へと戻ってきましたぞ。

おお、これは素敵な風景。昨日は夜に来たので全然わからなかったのですが、音戸の瀬戸。ほかにはなかなか無い狭い瀬戸の風景ですな。たくさんの船が往来しています。

暗くてよく分からなかった音戸渡船の建物も、かなり古そうで渋い!手書きの「音戸渡船」の文字がなんとも味わいありますね。
「そういえば、ここはもう広島県だったな」
ということで、お昼は広のお好み焼きやさん「みっちゃん」でお好み焼きを。アツアツでこれが美味い!!地元の人しか来ないようなローカルなお店で、旅にはこんなお店がいいですねぇ。

広から仁方へと移動し、安芸灘大橋で「とびしま海道」へと戻ります。さてさて帰ってきましたなぁ。
行きのとびしま海道「大崎下島~下蒲刈島」まで通った方とは逆側の海岸ルートで、帰りは岡村島方面へと向かうことにしました。とびしま海道は北側・南側どちらのルートを通っても、走りやすいので気軽にどっちを走ろうか選べていいですね。

とびしま海道の橋の上からの風景は、なんとも美しいものがあります。少しずつ、山が赤く染まり始めています。

夕日を見るために、途中から、とびしま海道南側の海岸線ルートをサイクリングすることにしました。夕日を撮るために三脚を立てたカメラマンさんたちも数人すれ違いました。これはあと10分ほどすれば、良い写真が撮れるに違いありません!

おお!!いい夕日!!
大崎下島の南側からの夕景でした。日が暮れてしまっても、どこかその辺でキャンプを張ればいい・・・・・・・。この余裕のある感じがキャンプツーリングならではかもしれません。キャンプ道具一式もっていなかったら、宿までなんとしても行かなくては!フェリーの時刻になんとか間に合わなければ!!!と必死になってペダルを漕いでいるところかもしれません。
真っ暗な中、大崎下島の御手洗(みたらい)の町に到着。
ここも風待ちの港町として古くから栄えた町。歴史保存地区の町並み。タイムスリップしたような感じ。今は、もう街灯だけが灯って、静かな夜ですが、遊郭のあった頃の夜は、きっと煌びやかで、賑わっている風景があったのかもしれません。そんなかつての賑わいを想像しながら、夜の御手洗をサイクリング。
岡村島へと渡り、最終日のキャンプ地は無料の「正月鼻キャンプ場」にしました。まだ、岡村港から今治港への最終フェリー18:05発にもぎりぎり間に合う時間でしたが、せっかくキャンプツーリングに来たのだから、キャンプして、次の朝一のフェリーで帰ることにしました。街灯も皆無で、クルマの通行も一切なし。ここがキャンプ場で合っているのかもよく分からないような状況でのキャンプ。
遠くの島々に町の明かりや船の明かりがぼんやりしているだけで、あとは月と星の光のみ・・・・・・。
ただ翌朝は、早朝のフェリー6:50発で帰るので、とっととテント設営して、早めの就寝です。
≪とびしま・かきしまキャンプツーリング4日目・最終日≫
最終日、といっても、フェリーで今治に帰るだけですが・・・。
朝5時、まだ真っ暗な中、起床。お湯だけ沸かしてインスタントスープで体を温めます。15分ほど走って岡村港到着。朝早くなのに、すでに船を待っている島の方が何人かいました。もちろん、こんな時間に島から今治へと渡るサイクリストは皆無。ぼくも、こんな時間に初めて乗ります。
辺りがだんだん明るくなってきました。空のグラデーションが綺麗です。

船の上で、夜明けを迎えました。短いキャンプツーリングでしたが、僕の旅には珍しく天気に恵まれ……。まあ、たまにはそういうこともありますわな。
「かきしま海道」の第一印象があまりに悪く、一時は「わざわざ遠くまできて失敗したか?」と思いましたが、それも思い違いだったかも。しまなみ海道やとびしま海道には無い、また違った景色を楽しむことができました。今回は、倉橋島の南側、それに江田島もまだ全然走っていないので、なんともいえないですが。また、機会があれば江田島いくのもアリかな、なんて、う~む本当かな。
「本船は間もなく、今治港へと入港いたします。着岸の際に多少の動揺が・・・・・・」
あれあれ、もう旅は終わりですか。あっという間に、帰ってきてしまいました。
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