どこか寂しい佐賀関~別府延岡激走150キロ|DAY2
2014.2.11 別府ー延岡

小倉を出発した東九州旅、その2日目です。
ここまでの記事はこちら↓
静岡から北九州へ輪行、dipへ集合|プロローグ
初日からの寒雨夜行便~小倉別府100キロ|DAY1

朝5時半ごろ起床。朝風呂に入ってから荷物をまとめて別府を出発。

夜のうちに雪が降ったのか、それとも昨日の昼間に降ったのか、別府のすぐ裏手の山は真っ白に化粧をしています。
オレンジ色の大分麦焼酎「二階堂」の看板が大分にいることを実感させます。
「一村一品大分県」というのは大分県の標語なんでしょうか、大分県に入ってからそこらじゅうでよく目にします。

西日本にはかなりの勢力を広げているファミレスの「ジョイフル」でモーニングを食べ、コーヒーで目を覚まします。ジョイフルは安い料金設定でお腹いっぱいになれる上、毎回もらえるドリンクバーチケットのお蔭で、低価格なドリンクバーでサイクリング途中の休憩にぴったりなのです。お腹もいっぱいになったところで、
さあ、別府湾を走る・・・

先の方向には大分市街が待ち構え、工場からは煙が上がっている・・・

振り返ると別府の町が僕を見送り、ところどころから温泉の湯気が上がっている・・・
別府から大分まではとても走りやすい海岸沿いの道路でした。早朝ランナーさんも何人か気持ちよさそうにジョギングしていて、僕を何度か追い抜いて行きました。ジョギングするには景色も良いし走り易そうな道です。
山側には日豊本線の電車が行き来し、静岡でいう所の由比あたりの雰囲気に似ているなぁと思ったりもしました。
シーサイドの道を抜けると、一気に都会の雰囲気、大分市街です。目を覚まし始めた大分市街は、完全に目を覚まして交通量が増える前に通り抜けたいところです。

都会は走りにくいですからね。
大分市からは国道10号を行けば、直接佐伯方面に抜けることが出来ますが、四国の佐田岬に九州で最も近づく佐賀関(さがのせき)に寄ってみることにしました。
単純に国道10号が面白くなさそうだったのと、臼杵(うすき)の町に寄ってみたかったというのがこの遠回りルート選択の理由です。一路、佐賀関に向けて東へ進路を取ります。しばらく行って大分市の市街地を抜けると、急激に交通量が減り、住宅地、そして海沿いの細くウネウネと曲がる道路に景色が変わっていきます。
走っているのは大分県大分市なのにこの道は「愛媛街道」で、目指すのが「佐賀関」と違う県名が付いているのは面白いですな。大分街道でもなければ、大分関でもないのですから。そんなことを思いながら、冷たい風の吹きすさぶシーサイドラインをひた走っていきます。

強い風のせいか、海は荒れ模様です。
ゴーゴーという風の音と波の音しかしません。

しばらく行くと小さな港町が出てきました。
大型船と赤と白の巨大な煙突のある工場が印象的です。

佐賀関の港町でした。
ここから更に国道を逸れて、岬の先端を目指します。

岬まではなかなかの山道で、アップダウンが続きます。

火葬場の横を抜けて、山を登りきると一気に視界が開け、眼下一面に海が広がります。クルマも滅多に来ることが無く、静寂に包まれています。晴れていれば、物凄い絶景であることは間違いありません。



ただ・・・曇りのせいか、この土地の持っている感情なのか、どこか寂しい雰囲気があたりに広がっていました。
冷たい風がほほをかすめていきます。
佐賀関の裏側は、急激に道幅が狭くなり・・・仕舞いにはガードレールすらなくなるスリル満点の道でした。
高い波が来ると道に思いっきりビシャーーンと来るわけであります。

まさに
「マジかよぉ・・・」
な道なのです。

街灯もないので、夜に来たら海にドボンは必至ですな。
こういう道がまだまだ残っている場所があるんですね。ある意味、ツーリングに貴重な道です。こんなにワクワクする道ってなかなか無いですから。

岬を一周して佐賀関の港町に戻ってきました。

関サバの産地といいますから食べずに通り過ぎるわけにはいきません。
「関の漁場」という漁協直営のお食事処で焼きサバ定食を頂きました。
2切れの焼きサバが出てきましたが、これがかなりの肉厚っぷり。一口ふくむと、サバの風味と旨み、そして関サバの特徴的な甘みが口いっぱいに広がります。なんて美味いサバなんでしょう!!正直、驚きました。醤油やかんきつをかけて食べるのも美味いんですが、やはり何も付けずに塩味だけの関サバがサバの味を楽しめる気がして一番素敵でした。

口の中に関サバの余韻を残しつつ、海岸沿いの道を進み、臼杵を目指します。

臼杵の町中に入り、川を渡ると醤油の匂いが立ち込めます。
醤油を作ってるフンドーキンが臼杵にはあるんですね。あの九州特有の甘い醤油、ぼくは大好きなのです。いつも九州に来たら必ず買って帰ります(笑)

とても雰囲気のある石畳の坂道を上ると、

武家屋敷やお寺の密集した地帯へと出ました。とっても素敵で古い街並みです。
臼杵はかつて城下町として栄えた町だそうで、道は物凄く入り組んでいて、方向感覚が分からなくなります。
しばらく臼杵の町並みを散策したのち、国道217号に復帰し、佐伯方面へと一つ峠越えをします。

峠の頂上にあった臼津トンネルは交通量こそ少ないものの、歩道もなくかなり怖いトンネルでした。

トンネルを抜けると、山の上は真っ白。
雨こそ降っていないものの、かなり厳しい寒さです。
この時期に旅に出たことをまたもや後悔し始めます。

蒼空が出始めたのが、せめてもの救いでしょうか・・・
津久見から佐伯までは、もう一つの峠越え。

佐伯の町を少し超えた地点で日没を迎えます・・・。
ここからは「宗太郎越え」と呼ばれる深い山中の峠越えとなります。
部分部分、街灯もない真っ暗な山道で、かなりの恐怖を覚えます。次の町、延岡まではまだかなりの距離があるようです。佐伯の町でストップしなかったことを後悔していました。なぜ、走り出してしまったのでしょう。
寒さで距離感とか思考能力とかがよく分からなくなっていたのかもしれません。
ただひたすらに、暗闇の山道を進んでいきます。
クルマもたまにしか通らず、心細い限りです。こんな所で死ぬのだけは御免ですな・・・。
もう気力も体力も限界に達し、もうだめだ・・・という所で、遠くに町明かりが見えてきました。
延岡の街です!
やった・・・!助かったぁ・・・。

なんとか、なんとか助かったみたいです。もうすぐ8時を回ります。またもやナイトライドになってしまいました。街もなければキャンプできそうな場所もないので、仕方がありませんでしたが・・・。
延岡の町には「チキン南蛮」や「延岡辛麺」、「あんかけ焼きそば」などなど魅力的な食が満載らしいのですが、なまった体にこの二日間の追い込みライドはかなり堪えたようで、指先まで溜まった疲労のせいで食べに出かける余力は残っていませんでした。
あとで測ってみたらこの日は150キロ以上も走っていたようです。

小倉を出発した東九州旅、その2日目です。
ここまでの記事はこちら↓
静岡から北九州へ輪行、dipへ集合|プロローグ
初日からの寒雨夜行便~小倉別府100キロ|DAY1

朝5時半ごろ起床。朝風呂に入ってから荷物をまとめて別府を出発。

夜のうちに雪が降ったのか、それとも昨日の昼間に降ったのか、別府のすぐ裏手の山は真っ白に化粧をしています。
オレンジ色の大分麦焼酎「二階堂」の看板が大分にいることを実感させます。
「一村一品大分県」というのは大分県の標語なんでしょうか、大分県に入ってからそこらじゅうでよく目にします。

西日本にはかなりの勢力を広げているファミレスの「ジョイフル」でモーニングを食べ、コーヒーで目を覚まします。ジョイフルは安い料金設定でお腹いっぱいになれる上、毎回もらえるドリンクバーチケットのお蔭で、低価格なドリンクバーでサイクリング途中の休憩にぴったりなのです。お腹もいっぱいになったところで、
さあ、別府湾を走る・・・

先の方向には大分市街が待ち構え、工場からは煙が上がっている・・・

振り返ると別府の町が僕を見送り、ところどころから温泉の湯気が上がっている・・・
別府から大分まではとても走りやすい海岸沿いの道路でした。早朝ランナーさんも何人か気持ちよさそうにジョギングしていて、僕を何度か追い抜いて行きました。ジョギングするには景色も良いし走り易そうな道です。
山側には日豊本線の電車が行き来し、静岡でいう所の由比あたりの雰囲気に似ているなぁと思ったりもしました。
シーサイドの道を抜けると、一気に都会の雰囲気、大分市街です。目を覚まし始めた大分市街は、完全に目を覚まして交通量が増える前に通り抜けたいところです。

都会は走りにくいですからね。
大分市からは国道10号を行けば、直接佐伯方面に抜けることが出来ますが、四国の佐田岬に九州で最も近づく佐賀関(さがのせき)に寄ってみることにしました。
単純に国道10号が面白くなさそうだったのと、臼杵(うすき)の町に寄ってみたかったというのがこの遠回りルート選択の理由です。一路、佐賀関に向けて東へ進路を取ります。しばらく行って大分市の市街地を抜けると、急激に交通量が減り、住宅地、そして海沿いの細くウネウネと曲がる道路に景色が変わっていきます。
走っているのは大分県大分市なのにこの道は「愛媛街道」で、目指すのが「佐賀関」と違う県名が付いているのは面白いですな。大分街道でもなければ、大分関でもないのですから。そんなことを思いながら、冷たい風の吹きすさぶシーサイドラインをひた走っていきます。

強い風のせいか、海は荒れ模様です。
ゴーゴーという風の音と波の音しかしません。

しばらく行くと小さな港町が出てきました。
大型船と赤と白の巨大な煙突のある工場が印象的です。

佐賀関の港町でした。
ここから更に国道を逸れて、岬の先端を目指します。

岬まではなかなかの山道で、アップダウンが続きます。

火葬場の横を抜けて、山を登りきると一気に視界が開け、眼下一面に海が広がります。クルマも滅多に来ることが無く、静寂に包まれています。晴れていれば、物凄い絶景であることは間違いありません。



ただ・・・曇りのせいか、この土地の持っている感情なのか、どこか寂しい雰囲気があたりに広がっていました。
冷たい風がほほをかすめていきます。
佐賀関の裏側は、急激に道幅が狭くなり・・・仕舞いにはガードレールすらなくなるスリル満点の道でした。
高い波が来ると道に思いっきりビシャーーンと来るわけであります。

まさに
「マジかよぉ・・・」
な道なのです。

街灯もないので、夜に来たら海にドボンは必至ですな。
こういう道がまだまだ残っている場所があるんですね。ある意味、ツーリングに貴重な道です。こんなにワクワクする道ってなかなか無いですから。

岬を一周して佐賀関の港町に戻ってきました。

関サバの産地といいますから食べずに通り過ぎるわけにはいきません。
「関の漁場」という漁協直営のお食事処で焼きサバ定食を頂きました。
2切れの焼きサバが出てきましたが、これがかなりの肉厚っぷり。一口ふくむと、サバの風味と旨み、そして関サバの特徴的な甘みが口いっぱいに広がります。なんて美味いサバなんでしょう!!正直、驚きました。醤油やかんきつをかけて食べるのも美味いんですが、やはり何も付けずに塩味だけの関サバがサバの味を楽しめる気がして一番素敵でした。

口の中に関サバの余韻を残しつつ、海岸沿いの道を進み、臼杵を目指します。

臼杵の町中に入り、川を渡ると醤油の匂いが立ち込めます。
醤油を作ってるフンドーキンが臼杵にはあるんですね。あの九州特有の甘い醤油、ぼくは大好きなのです。いつも九州に来たら必ず買って帰ります(笑)

とても雰囲気のある石畳の坂道を上ると、

武家屋敷やお寺の密集した地帯へと出ました。とっても素敵で古い街並みです。
臼杵はかつて城下町として栄えた町だそうで、道は物凄く入り組んでいて、方向感覚が分からなくなります。
しばらく臼杵の町並みを散策したのち、国道217号に復帰し、佐伯方面へと一つ峠越えをします。

峠の頂上にあった臼津トンネルは交通量こそ少ないものの、歩道もなくかなり怖いトンネルでした。

トンネルを抜けると、山の上は真っ白。
雨こそ降っていないものの、かなり厳しい寒さです。
この時期に旅に出たことをまたもや後悔し始めます。

蒼空が出始めたのが、せめてもの救いでしょうか・・・
津久見から佐伯までは、もう一つの峠越え。

佐伯の町を少し超えた地点で日没を迎えます・・・。
ここからは「宗太郎越え」と呼ばれる深い山中の峠越えとなります。
部分部分、街灯もない真っ暗な山道で、かなりの恐怖を覚えます。次の町、延岡まではまだかなりの距離があるようです。佐伯の町でストップしなかったことを後悔していました。なぜ、走り出してしまったのでしょう。
寒さで距離感とか思考能力とかがよく分からなくなっていたのかもしれません。
ただひたすらに、暗闇の山道を進んでいきます。
クルマもたまにしか通らず、心細い限りです。こんな所で死ぬのだけは御免ですな・・・。
もう気力も体力も限界に達し、もうだめだ・・・という所で、遠くに町明かりが見えてきました。
延岡の街です!
やった・・・!助かったぁ・・・。

なんとか、なんとか助かったみたいです。もうすぐ8時を回ります。またもやナイトライドになってしまいました。街もなければキャンプできそうな場所もないので、仕方がありませんでしたが・・・。
延岡の町には「チキン南蛮」や「延岡辛麺」、「あんかけ焼きそば」などなど魅力的な食が満載らしいのですが、なまった体にこの二日間の追い込みライドはかなり堪えたようで、指先まで溜まった疲労のせいで食べに出かける余力は残っていませんでした。
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