荒れ模様の日南フェニックスロードは鬼の洗濯機|DAY4
2014.2.13 宮崎ー日南

小倉を出発した東九州旅、その4日目です。
ここまでの記事はこちら↓
静岡から北九州へ輪行、dipへ集合|プロローグ
初日からの寒雨夜行便~小倉別府100キロ|DAY1
どこか寂しい佐賀関~別府延岡激走150キロ|DAY2
クルスの海…願いが叶うという宮崎の十字海|DAY3

朝、まだ暗さの残る宮崎市を出発。
今日明日の天気予報は雨・・・昨夜のニュースでは昼過ぎには雨が降り出すと言っていましたので、午前中に出来る限り走り切りたいところです。
昨日、願いが叶うというクルスの海で「明日も天気になりますように」とお願いしたのですが・・・(;・∀・)
宮崎市より南側は注意していないと街がなくなってしまいますから、雨の中テントを張って野宿・・・という事態になりかねません。こんな時は常に天気の様子を見ながら、どこまで走るべきか「判断」を誤ってはいけませんな。
50kmほど南下すると「日南市」という街があります。その後は都井岬を周るかショートカットするかで距離が数十km変わってきますし、その場合、大きな町は鹿児島県に入ったあとの「志布志市」、あるいはかなり先になりますが「鹿屋市」辺りなら安く泊まれそうな場所がありそうです。そのあたりを「判断」していくことになります。
ただ、こーじさんに教えていただいた日南海岸のハイライト「国道448号線(都井岬へと向かう日南海岸ルート)」は晴れの日に走りぬきたいなぁという気持ちもあります。
なかなか難しいところ・・・

交通量が多くなる前に国道220号を南下して宮崎市街を抜けました。宮崎南バイパスという自動車道の側道は、自転車も走れるようになっており、画的にはヤシの木の整列した南国ムード満載なのですが、いかんせん冷たい風が強く、体感的には全然南国ではないわけです。雲行きもいかにも怪しい感じです。
ちょうど巨人軍が宮崎キャンプしているスタジアムの横を通過し、ちょっと迷子になりながらも地元の人に道を尋ねつつ、青島という場所まで来ることが出来ました。もうここからはとにかく海岸沿いを道なりに南下していけば日南市まで辿り着くことが出来るはずです!!
「よっしゃー!一気に走り抜けるぞ!」
カレーさんに差し入れていただいた“くろがね羊羹”に朝飯代わりにかじりついていざ日南海岸突入!!!
次の瞬間、突如、猛烈な雨が・・・!!
午後から降り出すという予報が、だいぶ巻いてきたようで午前中のうちになるべく遠くまで走るという僕のプランは早くも音を立てて崩れていきます・・・。なんてこった!

雨の堀切峠!!
2本のフェニックス(カナリーヤシ)が印象的。
鬼の洗濯板と呼ばれる、砂泥互層が波で浸食された波状岩地帯を望む絶景ポイントで有名な峠です。海はかなり荒れていますが、その迫力には圧倒されました。もしかしたら、晴れののどかな堀切峠のポカポカ風景よりもかなり珍しい風景に出会えたのかもしれません。これはめちゃくちゃラッキーー!!
と、ポジティブに考えていないと“やってらんない”ほど、雨が強く冷たい訳です(笑)

道の駅フェニックス前の展望所からの風景・・・。

怒号のごとき波の音が強烈で、波打ち際では波しぶきが白く舞い上がっています。
色彩のない、灰色と黒色と白色だけの風景が、ダイナミックなうねりをみせています。
ともすれば、飲み込まれてしまうんじゃないかと思うほどです。

カッパを着ていても、雨が染み込んできます。
とにかく先を目指して国道220号線、日南フェニックスロードを南下していきます。
指先の感覚から順々になくなっていきます。鼻水もとめどなく流れて来て顔は雨と汗でめちゃくちゃです。
もはや鬼の洗濯板というより、鬼の全自動洗濯機に放り込まれたような感覚とでも言いましょうか(笑;)

出来る限り遠くまで走りぬいてやろうなどという当初の意気込みはどこへやら・・・。もう完全に気負けして意気消沈。サンメッセ日南の有名なモアイ像など、到底見るような気にはなれず、とにかくロースピードでノロノロと南下していきました。
家がチラホラと見え始め、日南市がもうすぐ近いと思われるところまで来ました。
セブンイレブンで休憩してから、少し走るとどうやら日南の街、油津まで辿り着いたようです。朝から羊羹しか食べていなかったので、お腹はぺこぺこ。油津の入り口にあったファミレスJoyfullに飛び込みました。鳥天定食とドリンクバーを注文し、一目散に暖かいコーヒーで体を温めます。

雨は一層強くなり、暖かいファミレスの中にいるとますます走る気力がなくなっていきます。ここで止まるにしても、さてこれからどうすればいいのか・・・。
志布志や鹿屋までこの雨の中向かうのは、あまりにも絶望的状況です。
連日の100km超えは運動不足の体にはかなりキテいます。
参ったなぁ、どうしようかなぁ・・・
鳥天を突きながらツーリングマップルをぺらぺらめくっていると、今いる油津のページに
「たのもし」
というメモが書いてあるのに気が付きました。
「・・・そうだ!日南には一泊1500円のライダーハウスがあるんだった!!」
完全に忘れていました。出発の直前に予定ルート上のライダーハウスをチェックしていて、別府と鹿屋、そしてここ日南の3ヶ所をメモしておいたのでした。
僕はなぜか大慌てでライダーハウスたのもしさんに電話を入れました。
余りにも急な宿泊の電話にも関わらず、オーナーさんはとても親切に対応してくださり、泊めていただけることが決定!!「今外出中で2時間ほどしないと戻れなくて申し訳ない」とのことでしたが、そんなこと全く申し訳なくありません!もう泊めていただけることが決まっただけで、号泣ものなわけであります( ;∀;)そうです、ぼくにはドリンクバーという強い見方もいるのですから。
予定より1時間ほど早くオーナーさんが帰宅してきてくださり(買い物もせずに直行で戻ってきてくださったみたいです)、もう来てくだすって大丈夫ですよという連絡が入りました。僕が大変に恐縮しきっていると、「寒いでしょうから風呂も今沸かしていますから」と・・・。本当に地獄から神様に救っていただいた心地でした(;_;)

ライダーハウス元大仙旅館たのもし
広島カープのキャンプ地でもある日南市天福球場のほど近く、元々旅館の建物をそのままライダーハウスとして使っているようです。2匹のわんちゃんの熱烈な歓迎を受けたのち、温かいお風呂を頂きました( ;∀;)

しかも驚くべきことにお布団付きのお部屋(´゚д゚`)!!自転車も屋根の付いている場所に置かせていただけました。
助かったぁ・・・( ;∀;)
この時まだ午後の2時過ぎでしたが、ぼくは安心したのか疲れ果ててしまったのか泥のように眠り、気づいたら夜になっていました。
地獄のような鬼の洗濯機の中でめちゃくちゃにされた午前中からは一転。日南市のライダーハウスに助けられて以降、それはまるで天国に来てしまったような心地でした。そして、ちょっとこの日南という町に興味が沸いてもきていました。どうせ明日も雨予報なのでもう1日、ここに滞在してみようかなという気持ちになってきました。
飲み屋の大将に教えてもらった「飫肥(おび)」という城下町も気になります。明日、足を延ばしてみましょうかね。

小倉を出発した東九州旅、その4日目です。
ここまでの記事はこちら↓
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初日からの寒雨夜行便~小倉別府100キロ|DAY1
どこか寂しい佐賀関~別府延岡激走150キロ|DAY2
クルスの海…願いが叶うという宮崎の十字海|DAY3

朝、まだ暗さの残る宮崎市を出発。
今日明日の天気予報は雨・・・昨夜のニュースでは昼過ぎには雨が降り出すと言っていましたので、午前中に出来る限り走り切りたいところです。
昨日、願いが叶うというクルスの海で「明日も天気になりますように」とお願いしたのですが・・・(;・∀・)
宮崎市より南側は注意していないと街がなくなってしまいますから、雨の中テントを張って野宿・・・という事態になりかねません。こんな時は常に天気の様子を見ながら、どこまで走るべきか「判断」を誤ってはいけませんな。
50kmほど南下すると「日南市」という街があります。その後は都井岬を周るかショートカットするかで距離が数十km変わってきますし、その場合、大きな町は鹿児島県に入ったあとの「志布志市」、あるいはかなり先になりますが「鹿屋市」辺りなら安く泊まれそうな場所がありそうです。そのあたりを「判断」していくことになります。
ただ、こーじさんに教えていただいた日南海岸のハイライト「国道448号線(都井岬へと向かう日南海岸ルート)」は晴れの日に走りぬきたいなぁという気持ちもあります。
なかなか難しいところ・・・

交通量が多くなる前に国道220号を南下して宮崎市街を抜けました。宮崎南バイパスという自動車道の側道は、自転車も走れるようになっており、画的にはヤシの木の整列した南国ムード満載なのですが、いかんせん冷たい風が強く、体感的には全然南国ではないわけです。雲行きもいかにも怪しい感じです。
ちょうど巨人軍が宮崎キャンプしているスタジアムの横を通過し、ちょっと迷子になりながらも地元の人に道を尋ねつつ、青島という場所まで来ることが出来ました。もうここからはとにかく海岸沿いを道なりに南下していけば日南市まで辿り着くことが出来るはずです!!
「よっしゃー!一気に走り抜けるぞ!」
カレーさんに差し入れていただいた“くろがね羊羹”に朝飯代わりにかじりついていざ日南海岸突入!!!
次の瞬間、突如、猛烈な雨が・・・!!
午後から降り出すという予報が、だいぶ巻いてきたようで午前中のうちになるべく遠くまで走るという僕のプランは早くも音を立てて崩れていきます・・・。なんてこった!

雨の堀切峠!!
2本のフェニックス(カナリーヤシ)が印象的。
鬼の洗濯板と呼ばれる、砂泥互層が波で浸食された波状岩地帯を望む絶景ポイントで有名な峠です。海はかなり荒れていますが、その迫力には圧倒されました。もしかしたら、晴れののどかな堀切峠のポカポカ風景よりもかなり珍しい風景に出会えたのかもしれません。これはめちゃくちゃラッキーー!!
と、ポジティブに考えていないと“やってらんない”ほど、雨が強く冷たい訳です(笑)

道の駅フェニックス前の展望所からの風景・・・。

怒号のごとき波の音が強烈で、波打ち際では波しぶきが白く舞い上がっています。
色彩のない、灰色と黒色と白色だけの風景が、ダイナミックなうねりをみせています。
ともすれば、飲み込まれてしまうんじゃないかと思うほどです。

カッパを着ていても、雨が染み込んできます。
とにかく先を目指して国道220号線、日南フェニックスロードを南下していきます。
指先の感覚から順々になくなっていきます。鼻水もとめどなく流れて来て顔は雨と汗でめちゃくちゃです。
もはや鬼の洗濯板というより、鬼の全自動洗濯機に放り込まれたような感覚とでも言いましょうか(笑;)

出来る限り遠くまで走りぬいてやろうなどという当初の意気込みはどこへやら・・・。もう完全に気負けして意気消沈。サンメッセ日南の有名なモアイ像など、到底見るような気にはなれず、とにかくロースピードでノロノロと南下していきました。
家がチラホラと見え始め、日南市がもうすぐ近いと思われるところまで来ました。
セブンイレブンで休憩してから、少し走るとどうやら日南の街、油津まで辿り着いたようです。朝から羊羹しか食べていなかったので、お腹はぺこぺこ。油津の入り口にあったファミレスJoyfullに飛び込みました。鳥天定食とドリンクバーを注文し、一目散に暖かいコーヒーで体を温めます。

雨は一層強くなり、暖かいファミレスの中にいるとますます走る気力がなくなっていきます。ここで止まるにしても、さてこれからどうすればいいのか・・・。
志布志や鹿屋までこの雨の中向かうのは、あまりにも絶望的状況です。
連日の100km超えは運動不足の体にはかなりキテいます。
参ったなぁ、どうしようかなぁ・・・
鳥天を突きながらツーリングマップルをぺらぺらめくっていると、今いる油津のページに
「たのもし」
というメモが書いてあるのに気が付きました。
「・・・そうだ!日南には一泊1500円のライダーハウスがあるんだった!!」
完全に忘れていました。出発の直前に予定ルート上のライダーハウスをチェックしていて、別府と鹿屋、そしてここ日南の3ヶ所をメモしておいたのでした。
僕はなぜか大慌てでライダーハウスたのもしさんに電話を入れました。
余りにも急な宿泊の電話にも関わらず、オーナーさんはとても親切に対応してくださり、泊めていただけることが決定!!「今外出中で2時間ほどしないと戻れなくて申し訳ない」とのことでしたが、そんなこと全く申し訳なくありません!もう泊めていただけることが決まっただけで、号泣ものなわけであります( ;∀;)そうです、ぼくにはドリンクバーという強い見方もいるのですから。
予定より1時間ほど早くオーナーさんが帰宅してきてくださり(買い物もせずに直行で戻ってきてくださったみたいです)、もう来てくだすって大丈夫ですよという連絡が入りました。僕が大変に恐縮しきっていると、「寒いでしょうから風呂も今沸かしていますから」と・・・。本当に地獄から神様に救っていただいた心地でした(;_;)

ライダーハウス元大仙旅館たのもし
広島カープのキャンプ地でもある日南市天福球場のほど近く、元々旅館の建物をそのままライダーハウスとして使っているようです。2匹のわんちゃんの熱烈な歓迎を受けたのち、温かいお風呂を頂きました( ;∀;)

しかも驚くべきことにお布団付きのお部屋(´゚д゚`)!!自転車も屋根の付いている場所に置かせていただけました。
助かったぁ・・・( ;∀;)
この時まだ午後の2時過ぎでしたが、ぼくは安心したのか疲れ果ててしまったのか泥のように眠り、気づいたら夜になっていました。
地獄のような鬼の洗濯機の中でめちゃくちゃにされた午前中からは一転。日南市のライダーハウスに助けられて以降、それはまるで天国に来てしまったような心地でした。そして、ちょっとこの日南という町に興味が沸いてもきていました。どうせ明日も雨予報なのでもう1日、ここに滞在してみようかなという気持ちになってきました。
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