桜島が見えた、開聞岳が見えた|DAY6
2014.2.15 日南ー垂水

小倉を出発した東九州旅、その6日目です。
ここまでの記事はこちら↓
静岡から北九州へ輪行、dipへ集合|プロローグ
初日からの寒雨夜行便~小倉別府100キロ|DAY1
どこか寂しい佐賀関~別府延岡激走150キロ|DAY2
クルスの海…願いが叶うという宮崎の十字海|DAY3
荒れ模様の日南フェニックスロードは鬼の洗濯機|DAY4
旅は飫肥という名の素敵な城下町にて|DAY5

飫肥でのオフ日を経て、疲労はだいぶ回復。なにより天気予報がお日様マークを表していることはなによりの活力剤となっています。左ひざの痛みはちょっと気になりますが・・・。気が付いたら僕の日本一周旅のゴールでもある鹿児島市まであと少しの所まで来ています。九州もだいぶ南の方まで来たようです。
これから走るのは宮崎でこーじさんに教えていただいた日南海岸ハイライトの国道448号線!!
素晴らしい景色が待ち構えているのは間違いなしなわけです。とにかくたくさん走りたい一心で、陽が昇る前のまだまだ暗い中を出発。ライダーハウスたのもしのご主人に「行ってきます」の挨拶が出来なかったのが心残りではありますが・・・。

夜が明ける・・・。
南郷町までの国道220号は、このあたりの道では多少交通量が多かったものの、国道448号線を都井岬方面に曲がった途端に交通量が激減しました。宮崎最南端の都井岬に寄らない限り、こちらの遠回りルートを通ることはなかなか無いのでしょう。サイクリングには絶好の道と言えるかもしれません。

少しアップダウンが続きます。

まだ朝早いため開店前である道の駅なんごうを少し行った辺りの景色は素晴らしく、風にそよぐヤシの木、朝靄を上げる穏やかな海、浮かぶ島々、奇岩、青空、すべてが調和して美しく、それは言葉になりませんでした。

こんなにも気持ちの良いサイクリングがあるでしょうか・・・。

誰もいない石波海岸の砂浜には、少し高い波が打ち寄せ、その波音はまるで心地よい音楽を聴いているかのようです。

国道448号。この辺りの、少し洗練されていなくほとんど車の来ない道路や、沿線のポツポツとあるぐらいの家々の風景、そして細く長く空に向かって伸びるヤシの木の風景は、僕が日本の南の方にどんどん近づいていることを知らせているようです。


日向灘を横目に気持ちの良い道を昇ったり下りたり。
ほどよい起伏がサイクリングにアクセントを与えます。

高い所から見下ろす日向灘は、あまりに広大で、広大過ぎることでだんだんに景色が平面になってきて、逆にその広さが分からなくなってしまいます。一枚の壁紙を見ているかのような感覚です。

野生馬の生息するという都井岬を目指します。
漫画のサイクル野郎にも登場する岬です。
今回の旅で是非行ってみたい場所の一つでした。サイクル野郎を読んで、最後にこの東九州の旅を決意したと言っても過言ではありません。この漫画を出逢い、そして読めたことは、僕に何とか時間を創りだして自転車旅に出る気力を呼び戻してくれたのでした。

宮之浦の海はなかなかの荒波。
ここから都井岬までは、上り坂が続きます。登りになると、どうも左ひざが痛み出し、自転車を押して登ったりしながらだましだまし登っていきます。痛いからと言って諦めるわけにもいきませんし、とにかく前に進むしかないのです。

ようやくのことで、都井岬の入り口、有名な「駒留の門」に到着しました。野生馬が逃げないように管理している門ですね。
この駒留の門、サイクル野郎でも出てきた建物と全く同じ建物でした。当時から建物は変わっていないのですね。それとサイクル野郎に登場する日本各地の風景が、かなり忠実に描かれていたことにも驚きました。
駒留のおばちゃんに管理料を払おうとすると、なんと自転車は無料でいいとのこと!!そしておばちゃんはブログをやっているらしく、写真を撮らせてほしいとのこと。
都井岬の野生馬をみにこんね~^^ 駒止めおばさんの奮闘記
↑後日、ブログに訪問させて頂いたらしっかり載せてくれていました(*^^*)
都井岬への道を進むと、そこらじゅうに「馬糞」が落ちています。
いつ草むらや木の陰から馬が飛び出してくるかも分からない妙な緊張感がありました。
そうでした・・・ぼくは動物が苦手なのでした(´゚д゚`)

わ!!!御崎馬が突如出現!!

近くに来るとなかなかの迫力。
草を食む音と、馬の鼻息が聞こえてきます。辺りは本当に静かなのです。ほかに観光客の姿は皆無ですし。こんな状況で馬に襲われたら、助けを呼んでも誰も来そうにありません・・・。緊張。

いつでも逃げれる体勢で、逃げれそうな距離感を保ちつつ、写真を撮影・・・。
都井岬はちょっと前までホテルなどもたくさんあった観光地のようで、当時のホテルは全て廃墟と化しています。そこを闊歩している馬とその廃墟ホテルの背景を見ていると、まるで馬の惑星に降りてしまったような妙な気持ちになってきました。まるで、人間が誰もいなくなった後の世界を見ているような気さえしました。

小松ヶ丘広場の展望台で記念写真を撮り、都井岬を後にしました。
もう充分に日南海岸には満足したので、あとはとにかく鹿児島市の近くまで走り抜けることにしましょう。

串間の町。久々に町に戻ってきた感覚があります。

町を抜けるとまた美しい海岸沿いを進みます。ダグリ岬近くの白い砂浜が印象的でした。

志布志を通り抜け、

大崎町へ。
ここから海を離れて内陸方向に進み、大隅半島を横断するルートを取ります。

いくつかの盆地状の田園風景の中を進む直線的な道路を走り抜けます。なかなか足が重く、しかも左足の痛みは悪化。上り坂だけでなく、平地を走っていてもなかなかの痛みです。右足をなんとか使いながらペダルを回していきます。走っては地図を確認し、思ったよりも全然に進んでいないことに落胆しながらもそれを繰り返して進んでいきます。

高隅山を見ながら、西へ西へと進んでいきます。国道220号は鹿屋の市街地を通らずに迂回しており、

とちゅうの鹿屋大橋からは鹿屋の町が一望することが出来ました。

トンネルを抜けると新しくバイパスが出来ていたので、そちらを通ることにしました。
地図によるともう錦江湾のすぐ近くまで来ているはずです。もうすぐ日が落ちる時間帯・・・影が長く延びてきました。
そして次の瞬間・・・。

桜島が見えた・・・・・・

開聞岳が見えた・・・・・・
この辺りから見えるとは思っていなかったので、とても驚いたと同時に、「来たなぁ」と思いました。小倉からずいぶん走って宮崎も回ってここまで走ってきたなぁという感覚。その距離感が両脚に蓄積しているのです。
そして、
これで終わりだなぁ・・・
とも思いました。

陽が山際へと落ちて、今日という日の終わりが近いことを告げます。
青かった空が、海が、濃い橙色一色に染められていきます。
急激に僕の旅も終わりが近づいてきた感じがしました。

小倉を出発した東九州旅、その6日目です。
ここまでの記事はこちら↓
静岡から北九州へ輪行、dipへ集合|プロローグ
初日からの寒雨夜行便~小倉別府100キロ|DAY1
どこか寂しい佐賀関~別府延岡激走150キロ|DAY2
クルスの海…願いが叶うという宮崎の十字海|DAY3
荒れ模様の日南フェニックスロードは鬼の洗濯機|DAY4
旅は飫肥という名の素敵な城下町にて|DAY5

飫肥でのオフ日を経て、疲労はだいぶ回復。なにより天気予報がお日様マークを表していることはなによりの活力剤となっています。左ひざの痛みはちょっと気になりますが・・・。気が付いたら僕の日本一周旅のゴールでもある鹿児島市まであと少しの所まで来ています。九州もだいぶ南の方まで来たようです。
これから走るのは宮崎でこーじさんに教えていただいた日南海岸ハイライトの国道448号線!!
素晴らしい景色が待ち構えているのは間違いなしなわけです。とにかくたくさん走りたい一心で、陽が昇る前のまだまだ暗い中を出発。ライダーハウスたのもしのご主人に「行ってきます」の挨拶が出来なかったのが心残りではありますが・・・。

夜が明ける・・・。
南郷町までの国道220号は、このあたりの道では多少交通量が多かったものの、国道448号線を都井岬方面に曲がった途端に交通量が激減しました。宮崎最南端の都井岬に寄らない限り、こちらの遠回りルートを通ることはなかなか無いのでしょう。サイクリングには絶好の道と言えるかもしれません。

少しアップダウンが続きます。

まだ朝早いため開店前である道の駅なんごうを少し行った辺りの景色は素晴らしく、風にそよぐヤシの木、朝靄を上げる穏やかな海、浮かぶ島々、奇岩、青空、すべてが調和して美しく、それは言葉になりませんでした。

こんなにも気持ちの良いサイクリングがあるでしょうか・・・。

誰もいない石波海岸の砂浜には、少し高い波が打ち寄せ、その波音はまるで心地よい音楽を聴いているかのようです。

国道448号。この辺りの、少し洗練されていなくほとんど車の来ない道路や、沿線のポツポツとあるぐらいの家々の風景、そして細く長く空に向かって伸びるヤシの木の風景は、僕が日本の南の方にどんどん近づいていることを知らせているようです。


日向灘を横目に気持ちの良い道を昇ったり下りたり。
ほどよい起伏がサイクリングにアクセントを与えます。

高い所から見下ろす日向灘は、あまりに広大で、広大過ぎることでだんだんに景色が平面になってきて、逆にその広さが分からなくなってしまいます。一枚の壁紙を見ているかのような感覚です。

野生馬の生息するという都井岬を目指します。
漫画のサイクル野郎にも登場する岬です。
今回の旅で是非行ってみたい場所の一つでした。サイクル野郎を読んで、最後にこの東九州の旅を決意したと言っても過言ではありません。この漫画を出逢い、そして読めたことは、僕に何とか時間を創りだして自転車旅に出る気力を呼び戻してくれたのでした。

宮之浦の海はなかなかの荒波。
ここから都井岬までは、上り坂が続きます。登りになると、どうも左ひざが痛み出し、自転車を押して登ったりしながらだましだまし登っていきます。痛いからと言って諦めるわけにもいきませんし、とにかく前に進むしかないのです。

ようやくのことで、都井岬の入り口、有名な「駒留の門」に到着しました。野生馬が逃げないように管理している門ですね。
この駒留の門、サイクル野郎でも出てきた建物と全く同じ建物でした。当時から建物は変わっていないのですね。それとサイクル野郎に登場する日本各地の風景が、かなり忠実に描かれていたことにも驚きました。
駒留のおばちゃんに管理料を払おうとすると、なんと自転車は無料でいいとのこと!!そしておばちゃんはブログをやっているらしく、写真を撮らせてほしいとのこと。
都井岬の野生馬をみにこんね~^^ 駒止めおばさんの奮闘記
↑後日、ブログに訪問させて頂いたらしっかり載せてくれていました(*^^*)
都井岬への道を進むと、そこらじゅうに「馬糞」が落ちています。
いつ草むらや木の陰から馬が飛び出してくるかも分からない妙な緊張感がありました。
そうでした・・・ぼくは動物が苦手なのでした(´゚д゚`)

わ!!!御崎馬が突如出現!!

近くに来るとなかなかの迫力。
草を食む音と、馬の鼻息が聞こえてきます。辺りは本当に静かなのです。ほかに観光客の姿は皆無ですし。こんな状況で馬に襲われたら、助けを呼んでも誰も来そうにありません・・・。緊張。

いつでも逃げれる体勢で、逃げれそうな距離感を保ちつつ、写真を撮影・・・。
都井岬はちょっと前までホテルなどもたくさんあった観光地のようで、当時のホテルは全て廃墟と化しています。そこを闊歩している馬とその廃墟ホテルの背景を見ていると、まるで馬の惑星に降りてしまったような妙な気持ちになってきました。まるで、人間が誰もいなくなった後の世界を見ているような気さえしました。

小松ヶ丘広場の展望台で記念写真を撮り、都井岬を後にしました。
もう充分に日南海岸には満足したので、あとはとにかく鹿児島市の近くまで走り抜けることにしましょう。

串間の町。久々に町に戻ってきた感覚があります。

町を抜けるとまた美しい海岸沿いを進みます。ダグリ岬近くの白い砂浜が印象的でした。

志布志を通り抜け、

大崎町へ。
ここから海を離れて内陸方向に進み、大隅半島を横断するルートを取ります。

いくつかの盆地状の田園風景の中を進む直線的な道路を走り抜けます。なかなか足が重く、しかも左足の痛みは悪化。上り坂だけでなく、平地を走っていてもなかなかの痛みです。右足をなんとか使いながらペダルを回していきます。走っては地図を確認し、思ったよりも全然に進んでいないことに落胆しながらもそれを繰り返して進んでいきます。

高隅山を見ながら、西へ西へと進んでいきます。国道220号は鹿屋の市街地を通らずに迂回しており、

とちゅうの鹿屋大橋からは鹿屋の町が一望することが出来ました。

トンネルを抜けると新しくバイパスが出来ていたので、そちらを通ることにしました。
地図によるともう錦江湾のすぐ近くまで来ているはずです。もうすぐ日が落ちる時間帯・・・影が長く延びてきました。
そして次の瞬間・・・。

桜島が見えた・・・・・・

開聞岳が見えた・・・・・・
この辺りから見えるとは思っていなかったので、とても驚いたと同時に、「来たなぁ」と思いました。小倉からずいぶん走って宮崎も回ってここまで走ってきたなぁという感覚。その距離感が両脚に蓄積しているのです。
そして、
これで終わりだなぁ・・・
とも思いました。

陽が山際へと落ちて、今日という日の終わりが近いことを告げます。
青かった空が、海が、濃い橙色一色に染められていきます。
急激に僕の旅も終わりが近づいてきた感じがしました。
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