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「銀輪記」~自転車旅行の記憶~
 

歌~戸崎フェリーを使って横島・田島の内海町をサイクリング|第4話

島キャンプツーリング第4話

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午後から雨の予報だったので、一日動かずにいようかとも思っていたが、思いの外雨が遅れているらしく、夕方から雨が降る予報へと変わっていることに気が付いた。じっとしているのも、悪くはない。ただ、どこか走りに行きたいところが出来れば、走りに行こう。

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とりあえず、尾道から向島へ渡船で渡った。考えてみれば、向島というこの島。今治から最も離れていることもあって、いつも通過するだけの島になっていた。島の全体像が僕のなかではぼやっとしている島だった。ちょっと散策してみようと思った。

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小さな船をつくる小さな造船所が並んでいるところがあった。船こそ小さいものの、かなり近い場所で作業を見ることができた。これはおもしろい。意外と、路地も入り組んでおり、切り通しや丘などもたのしめた。向島もなかなかいい。

そういえば、向島から沼隈半島方面へフェリーが出ているということを聞いたことがあったのを思い出した。しまなみ海道を渡ってから鞆の浦経由で福山へ抜けることを考えていた人が使おうとしていたフェリーだ。たしか、「歌」とかいう変わった地名の港だった気がする。なんとなく、そちらの方面を走っていると「歌港はこちら」の看板を発見。看板に従っていくと、ここに本当に港があるのかと疑いたくなるような田舎道へと誘導され、畑が広がる一角にポツリとフェリー乗り場が現れた。ここか。

キップ売り場とかいくらかかるとかも分からずに、乗り場まで行くと、船の上から船長が手招きしている。とにかく乗れということらしい。その通りに乗ると、乗った瞬間にフェリーが動き出した。乗客は僕だけ。どうやら「時刻表」というものがないらしい。人が来たら乗せて出港。確かに反対側の戸崎港もすぐそこで、こちらからも見える距離である。

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あとから、知ったのだが、戸崎側には船を呼ぶための信号?ボタン?があるらしく、それで渡りたい意思表示をすると船が来てくれるというものらしい。ある意味、便利で無駄がないのかもしれないシステムが、なかなかおもしろかった。

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紫色というか、えんじ色のユニフォームが印象的な常石造船のある常石という町を通り抜けた。歩いている人のほとんどが、そのえんじ色の作業服。突如現れたファミリーマートも作業員の人しかいないような場所だった。大きな造船所だった。

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内海大橋という橋があることは知っていたし、年末に鞆の浦まで走った時に見かけてはいた。調べてみると、「田島」「横島」という2つの島、内海町というその町に繋がっている橋だった。何があるか分からないけれど、行ってみたいと思った。近くの「百島」という島も気になったものの、船で行くしか手段がなく、雨が降ってくる前に帰りたい僕には、「こっちは今度にしよう」という気にさせた。

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内海大橋までは、ガツンと坂道をのぼった。橋自体は細身で結構怖い。途中、天井がフルオープンになるのもなんとも頼りない。高所が得意でない僕には、あまり気持ちのいい橋とは言えなかった。もちろん景色は悪くない。

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田島も横島も、本当に何にもない島だった。

何もないのが良いといえばいい。

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路地をやたらに走ったり、海岸沿いをぐるっと走ってみたりした。

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おもしろかったのが、立ち寄った鮮魚店。生簀が真ん中にあり、生きた状態でタイなどの魚やシャコなどを売っている。小さな魚市場だった。奥の方には、スーパーマーケットにあるような商品ケースがあり、そこにはパックされた魚介類が並ぶ。

変な音がしている。

その商品ケースからパタパタと音がしている。最初、何の音なのかが分からなかった。不思議に思い、覗き込んでみると、やはりパックされた魚が陳列されている。その中の一つ、パックされた丸々一匹の鯛、470円がまだ生きている状態でパックされていたのだ。そのまだ生きている470円が、パタパタピチピチと威勢よく動いていたのである。

これには驚いた。今まで生きた状態でパックされ売られている魚って見たことがない。

これは新鮮!!と最初は思ったものの、よくよく考えたら締めていない状態で放置されているってことで、これってどうなんだろう?と思いはじめた。新鮮さや魚の美味さに関しては分からなかったが、とにかくその状態がおもしろかった。

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となりの食堂で、お昼ご飯を食べてみる事にした。ちょうどお腹が減ったし、せっかくだから刺身の定食を注文した。これが安くて美味かった。

空の色が悪い具合に変わってきている。

早く帰らねば。


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手にした一台の自転車は、思いがけず遠くへと私を連れていき、生活へと染み込み、ついに。

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